壊れてしまった大好きな家族。
そう、姉は子猫を殺してしまったのだ。
狂った家庭は、狂った人間を産んでしまう。
気づいた頃には姉の腕に無数の傷跡。
血だらけのノコギリは自傷のための武器。
姉はまだ中学生だった。
負の連鎖はどう足掻いても止まらないもので
バトンは5人兄弟の3番目である兄に渡される。
「お前誰なんだ!こっちに来るな!!」
「自分が誰なのかわからない。だからいつも自分の中の神様の言うことを聞くようにしてるんだあ。」
と、訳のわからないことを言い出す。
40度を超える夏でもジャンパーを着て、一日中ずーっと砂をいじる兄は、
〝アスペルガー〟
という診断が下される。
怒鳴り散らし暴力を振るう父親
自傷で血まみれの姉
アスペルガーで記憶を無くす兄
それに加え我が家は極度の貧乏。
電気、ガス、水道が止まることは毎月のこと。
マトモにご飯を食べれない。
そんな状況の中でも
子どもを守るため
必死に働いて
必死に愛情を注いで
必死に生きてきた
強く優しい母親がいた。
壊れた家庭の中で唯一の光だった。
暴力親父はADHDでした。
父親は子どもを殴る存在。
それが私たち5人兄弟の当たり前の認識だった。
小学校に入学し、友達と家族について話してるうちに、妙な違和感、ズレ、
みんなの父親と自分の父親は違うことに気づいた。
( もしかして普通の親は子を殴らない?蹴らない?監禁しない?包丁で刺さない??)
自分がされたことを何ともなしに笑って話してしまったおかげで、
秒で先生から〝ヤバイ家庭〟という認識をされた。
とんでもない数のカウンセリング、児童相談所とのコンタクトから学んだことは、
これらの行動は〝本気でアテにならない!!〟ということ。
こうして、大人を信用出来ないアダルトチルドレンの女子小学生が成り立った。
そして、家の流し台に殺されて血だらけの子猫と血まみれの姉を目の当たりにする。